同行

本日も1日お疲れ様でした。

 

僕は地方で営業をやっている。地方で営業をやっている方だと分かると思うが、地方で営業をするとなると基本的に車での移動となることが多い。  

遠い所に行くこと自体はそんなに嫌でも無い。僕は運転が嫌いなわけではないため、音楽を聴きながらドライブ気分を味わえる(ただ、僕の運転は相当下手らしく、僕が仕えた歴代上司はこぞって僕の運転する車には乗りたがらない)。

 

しかしたまに上司と同行をしなければならない時がある。この時に僕はものすごく居心地の悪さを感じる。

上司が嫌いなわけではないが、僕はもともと年上の人とコミュニケーションを取ることが非常に苦手なのである。

年上の人と話していると、どこまで気を遣わなければいけないのかが分からないため神経をすり減らしてしまう。

上司と部下との関係となると特にだ。

 

ただ、車で片道1時間2人でドライブをするのだ。沈黙を1時間というわけにもいかない。

上司も話しかけてくれるため、こちらも何かしら話さないといけないのだ(サラリーマンは辛い)。

 

今日も上司と同行をしたのだが、その時に結婚の話が出た。

僕は恥ずかしながら、生まれてこの方彼女というものができたことはない(もちろん欲しいとは思っている)。

 

上司に「お前が30年後コンビニ行ってご飯買って、一人で家に引きこもっているの想像つくわ〜。」と言われた。

 

僕はその言葉にいろいろと考えてしまった。

一人でいるということが嫌いじゃない。むしろ好きな方だ。一人カラオケも一人映画もよく行く。誰にも気を遣う必要がない。

人目を気にせず自分の世界に入り込める。

 

ただ「一人でいること」と「一人であること」は違う。

 

後者には「誰かといること」という選択肢がないのだ。僕が「一人でいること」を楽しめるのは、周りに共有できる友人がいるからなのだと思う。少なからず僕に良い印象を持っていて、僕のことを認めてくれる友人がいるから僕は「一人でいること」が怖くない。僕の年齢だと、結婚している人も少ない。僕くらいの年齢の多くの人にとって、友人は人間関係で最も大切にする相手だと思う(もちろん家族の人もいると思うが、今回はこういう書き方をしておく)。

 

しかし、結婚をすると人間関係の優先順位は変わるのだ。一番大切にする相手は人生の伴侶か子供になるのだ。

多くの人にとって僕の存在の優先順位は下がってしまうのだ。

 

学生時代、僕のバイト先の上司がよく歳をとると友達に会わなくなってくるというようなことを言っていた。

すでにその気は感じている。大学を卒業して友人に会う機会はめっきり減った。

 

先日高校の同級生が一人結婚した。僕とそいつともう一人で「激ダサトリオ」を形成していた。こんなにも早くこの三人から既婚者が出るとは思わなかった。結婚したそいつを祝うために東京へ行った。中々スケジュールは合わなかった。

 

そいつは現在宇都宮へ住んでるそうだが、毎週東京に住む奥さんと会うために東京へ行っているみたいだ。

その日は奥さんに予定があったみたいで、会う時間ができたみたいだった。

 

帰り道、僕は何か虚しさを感じながら歩いていた。何かモヤモヤしたものを胸に抱えながら歩いていた。

帰り道空を見上げながら僕はボソッと呟いた。

 

 

「彼女欲しいなぁ…」

 

 

ちゃん